ポルトガル国債の格付けがムーディーズによって、4段階引き下げられたことによって市場
は大混乱となったわけですが、ユーロの金融当局は怒り心頭のようです。
ムーディーズの評価法に対して不信感が高まっているようでして、格付け会社の依存から
脱却を検討するとともに法的に訴える構えもあると発言しています。
「転載開始:ロイター」
『欧州高官、ムーディーズによるポルトガル格下げを非難』
ムーディーズ・インベスターズ・サービスによるポルトガル国債の投機的等級への格下げ
から1夜明けた6日、欧州高官からは非難の声が相次いだ。
ムーディーズは5日、ポルトガル国債の格付けを投機的等級となる「Ba2」に4段階引
き下げ、格付け見通しを「ネガティブ」とした。
これについて欧州委員会のバローゾ委員長は記者団に対し「前日のある格付け会社による
決定は、何かをより明確にするものではなく、むしろ現況に新たな投機的な要素を加える
ものでしかなかった」と述べ、ムーディーズによる格下げは金融市場における投機的な
動きを助長させているとの見方を示した。
さらに「欧州からの格付け会社が1つもないのは奇妙なことだ。これは、欧州のある特定
の問題に対する評価に関して、市場である一定の偏見がある可能性を示している」と述べ、
欧州各国が主に米国に本拠を置く格付け会社への依存からの脱却を検討しており、法的な
手段を通した是正の可能性を探っていることを明らかにした。
「Ba2」はジャンク債扱いですから、怒るのも無理はありませんね。
というのも評価基準が不明確ですし、これまでムーディーズによって国や企業が厳しい状況
に追い込まれるケースが少なくありません。場合によっては今後さらに増えるかもしれません。
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